小学2年生の娘。切り替えが早すぎる件②

子育ての悩み

ガツンと怒られてもビシッと厳しく注意されても、その5秒後には違う話を始めるなど、切り替えスピードの早さが持ち味の小2の娘。私や妻の言葉が本当にその頭に入っているのか? 右から左へ受け流しているだけではないのだろうか? 時折心配になっていたが、やはり入っていないことが多い模様。なぜなのか考えてみた。

この記事は問題を解決するとか、こんな方法がオススメとか、そういった内容ではありません。おもに管理人の悩みを一方的に吐き出す記事となっております。

今度は知らない人からお菓子をもらってしまう

前回の放課後のコンビニおごられ事案はひとまず解決。先生に謝り、おごってくれた同級生の親御さんに謝り(返金は断られたので平身低頭)、娘には「お友達から何かをもらっちゃダメ、あげるのもダメ」と改めて指導。私が子供の頃は普通におごったりおごられたりしていたものだが、今は時代が違うのだ。

が、また後日。今度は下校中に見知らぬ人からお菓子をもらい、食べながら帰って来る事案が発生。うまい棒のコンポタ味を頬張りながら上機嫌の娘だったが、玄関先に立った私を見て「ヤバい」という表情をする。その時の私はきっと怖い顔をしていたのだろう。

※上のイラストはPhotoshopでAI生成したもの。「鬼のように怒った顔」という指示で私の顔写真も素材にして適当に生成したのだが、怖すぎだろう。あまりに怖いので目線だけ入れておいた。さすがに私もここまでの怖い顔はしていないし、頭頂部の髪の毛だってもう少しはあるのだ。

さて娘よ、父は「お友達にもらっちゃダメ」と言ったな。確かに「知らない人からもらっちゃダメ」とは言わなかった。ゴメンゴメン、こりゃパパの注意の仕方が悪かったね、次は気をつけようね? なんて私は心優しい人間ではない。しかし事情は聞こうじゃないか。

娘いわく、お友達と2人で下校中、ベビーカーを押した家族3人連れにもらったそう。「お菓子をいっぱい買いすぎたからあげるよ」みたいなことを言われ、ワーイ、ラッキー! となった模様。赤ちゃんを連れていたし、怪しい人ではないと娘なりに判断したみたいだが、もちろんまったく知らない人である。いかに赤ちゃんでも赤の他人なのだ。

注意している途中に、うっかりはたらく細胞の話をしてしまう

お友達から何かもらっちゃダメ。だったら知らない人からもらうのもダメだろう。そんな風に考えるのは小2の子供には難しいのだろうか。それとも、もらっちゃダメのルールを忘却していたのだろうか。そもそも登下校中に見知らぬ人と話しちゃダメとか、何かもらっちゃダメとか、ついて行っちゃダメだとか、小学校に入学した時にさんざん注意されたではないか。

ちなみに私が小2の頃、娘と同じシチュエーションに遭遇したとしても、絶対もらわない自信がある。なぜなら私は子供の頃、極度の人見知りだったから。警戒心の強い野良猫のように後ずさりして逃げていただろう。ともあれ、このままでは簡単に誘拐されてしまうので、娘には改めて指導することに。ルールは「お友達から何かをもらっちゃダメ、あげるのもダメ」というものから、「どんな人からも何かをもらっちゃダメ! あげてもダメ!」という厳格化バージョンとなる。

「お菓子をくれたのがヤバい人だったらどうするんだ。毒入りだったかもしれないぞ。黄色ブドウ球菌とか悪玉菌とか入っていたかもしれないぞ」と、はたらく細胞にどハマり中の娘にも伝わりやすいように脅しをかけると、どこかぼんやりしていた顔から、即座に真剣な顔になる娘。お、やっと響いたか。

「でも大丈夫だよ! わたしの好中球とかマクロファージが退治するから。それにわたしはヤクルト飲んでいて善玉菌の方が多いから大丈夫。乳酸菌はかわいいの!」と娘。そこから日和見菌がどうの、理想の腸内フローラがどうの、悪玉菌も少しはいた方がいいだの、専門的な話を始めてしまう。いかん、私の方から切り替えスイッチを入れてしまった。

はたらく細胞はアニメ1期も2期も観終わり、さらに何度もリピートしている娘。さらにこうした本も買ったり図書館から借りたりしてほぼ読破。私も何話かアニメを観て面白いと思ったが、娘のハマりっぷりは凄まじい。ちょっと前まで将来の夢はキラキラのアイドルだったはずが、今は細胞の研究者になりたいと言っているのだ。なのでお父さんの花粉症を治す薬を作ってくれとお願いしておいた

とにかくもらっちゃダメ! 特に知らない人は絶対ダメ! ダメなんだからねっ! と念押しするも、もはや娘の頭ははたらく細胞でいっぱい。マシンガンのように肺炎球菌やらライノウイルスやらのエピソードが飛び出してくる。そのヘルパーT細胞さんとやらにお願いして、話を聞く方の細胞もはたらかせてもらえないだろうか。役割が違う? あ、そう。

だまし討ちのような3回リピート話法で娘の脳みそに刻み込む

しかし、そんな娘の様子を見ていて、なんとなく分かったこともある。怒られた時や注意された後、即座に違う話をしてしまうのは、切り替えが早いのではない。おそらくそれより前にすでに切り替わっているのだ。注意されている最中に飽きてしまい、以後は自分が興味のあることでもぼんやり考えながら聞き流していたのだろう。

だから話が終わった瞬間に、ずっと考えていた話を始めてしまう。お父さんの話している間は待っていたんだから、今度は私の番だよね、といった感じなのだろう。ゆえに注意した内容があまり頭に残っていないし、その記憶も数日経つと脳みその奥深くにしまい込まれてしまう。

そう考えた私は、娘に何か大事な話をする時は、3回くらいリピートする作戦に出た。ひと通り話をした後、終わりと見せかけて違う言い回しで同じ注意の話をするのだ。娘が話す順番を強引にスキップして私の番を繰り返すわけだ。その分、1回分の話は短くして、娘が脳内スイッチを切り替える前に話し終える。そこから仕切り直して再び話し出す。それも最初は違う話のようでいて、最後まで聞くと前と同じ話だったのね、といった内容。

だまし討ちのようなもので、娘としてはウンザリだろうが、父も必死である。見知らぬ人から何の疑いもなくお菓子をもらい、それを食べながら下校するようなことはしてほしくないのだ。世知辛い世の中、そのうちきっと騙されてしまう。

3回リピート話法は今のところ、それなりの効果はあるっぽいが、そのうち娘は免疫を獲得して効かなくなる予感。こちらもウイルスよろしく、ちょっとずつ型を変化させていくしかないのだ。
(終わり)