激安スーパーで叩き売りされていた税抜75円のパイ生地を使ってピザを作ったら超ウマかった

ごはん

今どきクレジットカードが使えないスーパーある。もちろん電子マネーも何とかペイも一切使えない。ニコニコ現金払いのみである。その代わり、あらゆるものが安い。そんな我が家のメインスーパーの冷凍食品コーナーにて、パイシートなる商品を発見した。これでピザを作ってみようじゃないか。

賞味期限が当月とはいえ、8割引以下という破壊力抜群の価格

そのパイシート、お値段はなんと税抜75円である。激安スーパーの中でも激安。今どき75円ではうまい棒が5本しか買えない。数年前なら7本買えたのに。

なんでこんなに安いのかよく分からないが、それはさておき私はピザが大好きだ。世の中で一番好きな食べ物はずばりピザである。ピザ好きが高じて学生時代はピザ屋でバイトしていた。まかないでオリジナルピザを作って食べるのは最高に幸せだった。よくイタリアンソーセージを大量消費して店長にマジギレされたものだ。

帰宅して商品のことを調べて驚いた。価格はネットの最安値でも473円である。それがなぜ75円で売られていたのか。答えは1つ。賞味期限だろう。案の定、24年9月、つまり今月であることが記されていた。

すぐ食べるつもりだし、個人的に冷凍食品の賞味期限は表記プラス半年と見ている。これは間違いなく超お買い得商品だったのだ。今すぐスーパーに引き返して追加でもう10パックくらい買おうかと思ったが、よく考えたらまだ開封すらしていなかった。まずはどんなものか開けてみる。

サイズはタテヨコ18センチくらいで、厚みは4〜5ミリくらい。冷凍品だが速攻で解凍されそうな感じ。袋から出して皿に乗せた時点でもう柔らかい。焼く前のパイ生地を見たのはこれが初めてだが、印象は餃子の皮をデカくして分厚くした感じ。本当に多層構造のパイ生地なのか。

ちなみにパッケージには144層に折り込んだ生地と書いてあるのだが、なぜ144なのだろうか。普通に考えたら2つ折りを繰り返して2→4→8→16→32→64→128となるのではないか。144を2で割って72、それを2で割って36、それを2で割って18、それを2で割って9、それを2で割ったら4.5である。一体どうなってんだ?…というようなことを考えていたら、生地がデロデロになってきたので慌てて冷蔵庫に入れる。

ピザソースはケチャップ+αで代用し、具材は多めに用意する

とりあえず下準備を始める。といっても非常に簡単だ。まずはピザソースから。わざわざピザソースなど買わない。コスト高な上にたいてい使い切れず、味の方もありがたみを感じないからだ。

ケチャップを大さじ2くらい、オリーブオイルを大さじ1/2、にんにくチューブを少々。あとは適当に塩コショウして混ぜる。ウスターソースや醤油、タバスコを少し足すのもいい。面倒だったらケチャップだけでもいい。

本物のピザ好きには殴られそうだが、私は具だくさんのごてごてしたピザが好きである。もちろんピザ職人的な人が作るシンプルなナポリピッツァも好きだ。しかしジャパニーズ宅配ピザがいいのだ。その昔、日本人はシンプルなピザにお金を払う価値を感じなかったため、これでは商売にならんとピザを具だくさんにして、その分値段を釣り上げたのがジャパニーズ宅配ピザである、と私は勝手に妄想しているのだが、それがいい。

具だくさんにするとピザソースの味がぼやける。ケチャップを薄く塗るくらいでも十分だろう。

あとは具材を切る。実家の家庭菜園で取れた超酸っぱいミニトマト6個を使おう。焼けば酸っぱくないのだ。同じく実家産のピーマン1個に、激安スーパーの玉ねぎ1/4をスライスする。

肉類はソーセージがいい。なんせ私の好物第2位はソーセージである。1位のピザと2位のソーセージが共演するのだから、こんな嬉しいことはない。わかってくれるよね?

と思っていたら、妻と娘が帰ってきた。地元の花火大会に出かけていたのだ。都合のいいことに娘が屋台で買ったソーセージの食べ残しを持って帰ってきたので、それを使う。ハーブが入っているのを嫌って食べなかった模様。これも適当に薄く切る。7〜8ミリ厚くらいか。まな板が油っぽくなると妻に怒られるので、まな板シートを使う。妻がいない時は使わない。洗えばいいじゃない。

ソースを塗ったら具材を盛ってとろけるチーズでフィニッシュ

冷蔵庫からパイシートを出してきた。触ると粘土みたいな柔らかさ。クッキングペーパーを敷いた皿の上に置き、フチ部分をつまんで具材がはみ出ないようヘリを成形する。

続いてソースをスプーンで伸ばすように塗りたくり、具材をトッピングしていく。私の場合は玉ねぎ→ピーマン→ソーセージ→ミニトマトと来て、最後にとろけるチーズをかける感じ。チーズは途中に挟んでもいいが、その場合もラストは必ずチーズだ。見た感じ明らかに具材が多い。中でもピーマンとソーセージのボリュームは異常だ。

あとはオーブントースターで焼くだけ。フルパワー(280度)で5分ほど予熱した後。投入。クッキングペーパーを敷くのを忘れてはいけない。具材の沢山乗った上面と違い、下面はとても焦げやすい。何度もチルドのピザを焦がして学んだのだ。パイ生地ならより焦げやすい予感。

サクサクで超ウマ! だったのは序盤だけでした

オーブンは常にフルパワー。強火力&短時間で焼き上げるのがウマいピザのコツだ。我が家のトースターはマックス280度とパン焼きマシンにしてはなかなかの火力ではあるが、ピザを焼くなら最低でも350度以上は欲しいところ。400度まで上がるのが理想で、それなら1分ちょいでナポリピッツァが焼けるらしい。

いやいやナポリピッツァの話ではなかった。私が具だくさんのジャパニーズ宅配ピザを作っているのだ。具材が多い分、焼けるまで時間が掛かるので、変に高火力だとフチや裏面が焦げちゃうのではないだろうか。それなら280度くらいでちょい長めに焼く方がいいのかもしれない。

ピザパドルなど持ってないので皿ごと入口まで突っ込み、そこからは手で入れる。激アツだが仕方ない。3分ほど焼くと急激に生地が膨らんできた。これは確かにパイ生地だ。餃子の皮ではなかった。

写真だとアレだが現物はすごくウマそうである。バターの香りも漂ってきた。これはサクサクで間違いない。そしてサクサクゆえにパンくずが散らばるのも間違いない。6〜7分ほど焼いて完成。少し焦げて見た目はアレだが、宅配ピザも似たようなものじゃないだろうか。

ピザカッターがないのでいつも通り包丁でカットし、さっそく食べる。サクサクだ! と思ったが、それは端っこの方だけ。真ん中あたりはほとんどサクサク感がない。やはり具材が多すぎたか。

だが味は最高。バターの風味と焼けたチーズの香ばしさ。生だとあれほど酸っぱかったトマトも甘くなっている。そしてソーセージのジューシーな旨味。ハーブ入りのソーセージだったので若干妙な感じがするものの、味はとても良い。ピーマンは正直多すぎた。

食べ進めていくと、具材から出た水分によって端っこのサクサク感も失われていく。買った翌日、焼かずに食べたクロワッサンみたいな感じになってしまった。これはよろしくない。パイ生地のストロングポイントが生かせてないのではないだろうか。一口目の感動はどこへ行った。

最終的にはハイカロリー感のある重たい生地に成り下がってしまったが、これは私が悪かった。きっとこの生地でピザを作るなら、具材は最小限にすべきだったのだ。それこそナポリピッツァみたいなのが合うのだと思われる。そして短時間で食べるのがベストだろう。

私の好みは宅配ピザ系ではあるが、次はナポリ系にチャレンジしてみたい。この生地なら280度でもそこそこ早く焼けそうな気もする。また税抜75円で叩き売りされていたら買ってみよう。